RFIDの識別コード「EPC」とは?
使用理由と利用方法を解説

RFIDにはEPCと呼ばれる識別コードがあり、RFタグを効率的に読み取るための「共通言語」として機能します。グローバルな物流管理や在庫管理に適用できることもEPCの特徴です。
本記事では、RFIDにおけるEPCの概要や、EPC識別コードに関係する国際標準であるGS1識別コード、またEPCの利用方法について解説します。

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RFタグのEPCとは

EPC(Electronic Product Code)とは、国際標準であるGS1識別コードをRFIDで使用するための形式のことです。固有の識別コードとしてRFタグに書き込まれます。
EPC識別コードに準拠することで、国内外問わずRFタグ内のデータの内容を示すことができ、製造や物流分野では、製品やアイテムを個別に識別・追跡する用途に使用されます。

RFタグ内には以下のようなメモリ領域があり、EPCはその中の「EPCメモリ」に格納されています。

・EPCメモリ: EPC専用のデータ領域
・USERメモリ: ユーザーが自由に使用できる領域
・TIDメモリ: タグ製造情報を格納する領域(読み取り専用)
・RESERVEDメモリ: パスワードを格納する領域(読み書き不可)

メモリ構成の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

EPC識別コードとGS1識別コード

EPCは前述の通り、国際標準であるGS1識別コード(例: GTIN、GLNなど)を基に作成されます。バーコードシステムとの互換性を持ちながらRFIDで利用できる形式をとっており、商品、サービス、企業、資産などを一意に識別するために使用されます。

EPCは用途に応じてさまざまな形式があり、それぞれのGS1識別コードに対応するEPCとしてのエンコード方式が定められています。
以下は、GS1識別コードとそれに対応するEPC識別コードの一部です。

EPC識別コードとGS1識別コード

EPCを使用する理由

EPCを使用する主な理由としては、以下の2つがあります。

大量のRFタグを効率的に処理できるため

EPCは通常、96ビット程度のデータとして構成されており、高速な読み取りが可能です。これにより、大量のRFタグを同時に効率よく読み取ることができます。
なお、RFタグ内にはユーザーが自由にデータを読み書きできるUSERメモリもありますが、こちらは高速に読み取ることができないため、一般的にはEPCメモリが使用されます。

世界共通のコードであるため

EPCはGS1(サプライチェーンに関する国際規格を設計・策定する国際組織)が管理する国際標準コードであり、世界共通の識別コードとして利用できます。
そのため、企業間のデータ共有やサプライチェーンの効率化を促進することが可能です。グローバルな物流管理や在庫管理に適用でき、国や業界を問わず利用可能なことが大きな利点としてあります。

ただし、EPCメモリをUSERメモリの代用として使用する場合、国際標準であるEPCではなく、企業独自のコードで書き込むことが多いのが実状です。

EPCの利用方法

EPC(Electronic Product Code)の利用は、以下の流れに沿って進められます。

①GS1事業者コードの取得
EPCを利用するには、GS1事業者コードが必要です。このコードは、企業や製品を一意に識別するための基盤となります。
すでにGS1事業者コードを保有している場合、追加の手続きや費用は不要です。

②使用するGS1識別コードの選定
EPCにエンコードするGS1識別コード(例: GTIN、SSCCなど)を決定します。用途や対象物に応じて適切な識別コードを選びます。

③EPC用エンコードデータの作成
選定したGS1識別コードに基づいて、EPCデータ(例: SGTIN、SSCCなど)を作成します。この際、GS1事業者コードの他、商品アイテムコードなど管理対象物に応じたコードやシリアル番号を付加します。

④RFタグへのエンコード
作成したEPCデータをRFタグに書き込みます。この工程は「エンコード」と呼ばれ、専用のツールやソフトウェアを使用して行われます。

エンコードについての詳細は以下の記事をご覧ください。

⑤RFタグの貼付と運用
エンコード済みのRFタグを対象物(製品、パレットなど)に貼付し、実際に運用します。

RFタグへのエンコードは小林クリエイトにご相談ください

EPCは高速での読み取りや国際的に共通して利用できるという強みを持ち、サプライチェーン全体でのRFIDを活用した製品や在庫などの効率的な管理を実現するうえで、重要な役割を果たしています。
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