現品管理とは?在庫管理との違いや重要性、
正確に行う方法を解説

製造業の現場では原材料や部品、完成品など多様な物品があり、それらの種類や状態を正確に把握するために現品管理が不可欠です。現品管理を適切に行うことで生産性向上やコスト抑制などを実現できますが、保管場所が曖昧になる、入出庫の記録漏れが発生するなどの課題も見られます。

本記事では、現品管理とは何かを整理したうえで、在庫管理との違い、現品管理の重要性、そして正確に行う方法やポイントを解説します。

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現品管理とは

現品管理とは、企業が保有する原材料、部品、仕掛品、完成品などの在庫を正確に把握・管理する業務のことです。帳簿やシステム上のデータだけでなく、実際に存在する「現物(現品)」に焦点を当て、数量や状態、保管場所を確認します。
定期的な棚卸や品質チェックを行うことで、在庫の紛失や破損を防ぎ、適正な在庫数を維持することが目的です。

現品管理と在庫管理の違い

現品管理と在庫管理は、ともに原材料・部品・仕掛品・完成品を対象にしていますが、管理の目的が異なります。現品管理は「現品」に焦点を当て、どこに・どれだけ・どのような状態で存在しているかを把握する管理です。
一方、在庫管理は必要な時期に必要な量・状態で供給できるよう、全体の在庫を適正に維持・調整する管理であり、現品管理はその一部として位置づけられます。

現品管理と在庫管理の違い

【製造業・物流現場での典型例】
現品管理:
「A部品は現在倉庫内に100個あり、保管場所はB棚とC棚で、それぞれ50個ずつ。10個は検査待ちで使用不可」

在庫管理:
「A部品の使用可能在庫が70個を下回ったら200個発注する。」

以下の記事では、RFIDを活用した在庫管理について解説しています。

また、こちらの記事では効率的な在庫管理を実現する在庫管理システムについて解説しています。

現品管理の重要性

現品管理は、企業の成長と業務の効率化において非常に重要です。
例えば、現品管理が不十分だと、保管方法や温湿度管理が適切に行われず、在庫が長期間放置されて経年劣化してしまうケースが考えられます。その結果、納品物としての価値が大きく損なわれ、顧客満足度や信頼性の低下につながります。
また、過剰在庫が発生すると保管のコストも増加します。

在庫管理により、システム上で「在庫あり」となっていても、現場で現品が見つからなければ生産や出荷に支障が出ます。このように、現品管理が不十分であると在庫管理全体が機能しなくなるため、在庫管理を機能させる土台として現品管理は重要です。

現品管理を行うメリット

現品管理を適切に行うことで、生産性向上やコストの抑制などさまざまなメリットを得られます。

生産性の向上

現品管理により、在庫の正確な位置や数量を把握できるため、必要なものを迅速に見つけられます。探す・迷うといったムダな作業時間が短縮され、従業員の負担軽減と生産性向上につながります。

コストの抑制

適切な現品管理により、余剰在庫や不足在庫を防ぎ、ムダな仕入れや保管にかかる費用を削減できます。紛失や取り違えによる再手配コストも削減でき、製造原価や物流コストの低減にもつながります。

品質の維持

現品管理は品質管理を行う上での土台でもあります。
保管場所や数量、入出庫を適切に管理することで、在庫の滞留を防ぎ、材料や製品の劣化を抑えられます。その結果、安定した品質を維持することが可能になります。

販売機会の損失防止

在庫量を正確に把握することで、突発的な需要変動にも柔軟に対応しやすくなります。欠品による機会損失を防ぎ、安定した受注・売上の確保につながります。

現品管理を行う方法と手順

現品管理は部門ごとではなく、社内全体で共通したルールを設定して行うことが重要です。以下では、現品管理の方法と手順を解説します。

入庫管理

入庫管理は現品管理における最初の工程であり、受け入れたものを正確に記録・保管する作業です。基本的には以下の手順で進めます。

【手順】
①現品と送達帳票の照合: 図番、品番、数量などを確認
②現品のチェック: 損傷や破損がないか確認
③仕分け: 保管区分に基づき現品を分類
④保管: 所定の保管場所に現品を配置
⑤記録: 現品票や入出庫台帳に入庫数を記帳
⑥帳票の整理: 送達票をファイリング

入庫の詳細については以下記事をご覧ください。

出庫管理

出庫管理は必要な現品を取り出し、使用場所に届ける作業です。

【手順】
①指示書と在庫の照合: 出庫可能数を確認
②不足品の報告: 出庫が不可能な場合は工程管理部門へ連絡
③出庫作業: 指定された現品を所定の場所へ運搬
④記録: 現品票や台帳に出庫数を記帳
⑤帳票の整理: 出庫伝票をファイリング

棚卸

棚卸は、現品の数量や状態を定期的に確認し、データと照合・更新する作業です。在庫の正確な把握や財務状況を可視化する上で欠かせません。

【手順】
①現品リストの作成: 管理対象の現品をリストアップ
②数量確認: 実物と帳簿上のデータを照合
③不一致の修正: 数量や状態に誤差があれば修正
④記録更新: 最新の在庫データを反映

棚卸の効率化については以下の記事で解説しています。

保管場所の管理

現品の保管場所を明確に定め、効率的に管理する工程です。

【手順】
①保管スペースの確保: 棚や区画を整理
②ロケーション管理: 棚番号や区画番号を設定
③整頓: 必要なものを取り出しやすいように配置
④目印の設置: ラベルやバーコード等を活用

保管場所の管理についての詳細は以下の記事をご覧ください。

現品管理でよくある失敗例

現品管理を行う際には、以下のような失敗が起こることがよくあるため注意が必要です。

・現品の保管場所が曖昧で、探す時間が増える
現品の置き場所が決まっていない、またはルールが徹底されていない場合、必要なものをすぐに取り出せず探す時間が増えてしまいます。
その結果、作業効率が落ちるだけでなく、現品が見つからないために「在庫がない」と誤認し、不要な発注につながることもあります。

・入出庫の記録漏れで、帳簿と現品の数が合わない
現品の入庫・出庫が発生しているにもかかわらず、台帳やシステムに正しく反映されていないと、帳簿上の在庫数と現品の数量にズレが生じます。
ズレが積み重なると、棚卸で差異が頻発し、現品管理への信頼性そのものが低下してしまいます。

・品目の取り違えが起こり、誤出庫・誤使用につながる
品名が似ている部品や型番違いの製品を扱う現場では、管理が曖昧だと取り違えが発生しやすくなります。
誤出庫や誤使用は、生産ミスや品質トラブルにも直結するため、現品管理の中でも特に注意が必要です。

現品管理を正確に行うポイント

現品管理を正確に行うためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

3定(定品・定量・定位)を意識する

現品管理においては、ものを確実に管理するための基本原則である「3つの定」(定品・定量・定位)を意識することがポイントです。

・定品
定品とは、管理対象となる品目・部品・製品を明確にすることです。これにより、正確な管理を実現し、取り違え・誤使用を防止します。
品名・品番・型式・ロットなどを誰が見ても分かるように表示し、一物一品番で管理します。
私物や不要品、廃棄品など、管理対象外のものを置かないことがポイントです。

・定量
定量とは、現品の適切な数量を管理することです。在庫の最適化とコスト抑制に貢献します。
過剰在庫・欠品を防止するために必要な量を設定しますが、余裕を持たせすぎると過剰在庫の原因となります。在庫切れ回避のために安全在庫量(下限)を決めるとともに、利益が出る範囲で上限も設定すると良いでしょう。

・定位
定位とは各現品の置き場所を固定することであり、物品の紛失防止や探索の効率化に役立ちます。棚番号やエリアマップ等で保管場所を明示し、一時置き場も例外なく定義します。一方で、定量以上の在庫が発生した場合の置き場は、管理対象が増えてしまうため用意しません。

これらの「3つの定」を同時に整えることで、誰でもすぐに必要なものを見つけられ、在庫の状態が明確になり、過剰在庫や不足在庫によるリスクを軽減できます。

在庫管理システムを活用する

デジタル技術を活用した在庫管理システムは、現品管理を効率化し、正確性を向上させるためのツールです。入庫・出庫情報をリアルタイムで更新し、最新の在庫状況を常に把握できます。

また、ハンディターミナルでバーコードや二次元コードを読み取ることで、手入力のミスを防ぎ、作業効率や正確性が向上します。 さらにRFIDを活用することで、現品を一括で読み取れるため、棚卸作業の負担軽減につながります。
在庫情報をシステム上で統合管理することで、社内全体での情報共有が可能になり、現品管理業務をスムーズに行えるようになります。

現品管理を効率的に行おう

現品管理は製造現場でものを適切に管理する上で必須の業務であり、生産性の向上やコストの抑制、品質の維持など、事業経営に直結します。
実施する際には、「3つの定」を意識して在庫の状態を明確化し、さらに在庫管理システムを活用して効率化を図ることが重要です。これにより、業務の正確性と生産性が向上し、企業の競争力を高めることができます。

小林クリエイトでは、製造業や物流業向けに在庫管理を効率化するためのシステムを提供しています。
RFIDを活用して在庫情報を「みえる化」することにより、誤入力や数え間違いを防止し、正確な在庫状況を把握することが可能です。
ハンディターミナルを使用してRFタグを一括で読み取ることで、棚卸作業も迅速かつ正確に行えます。

在庫管理システムの詳細はこちらをご覧ください。

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