検査表、まだ手書き入力している?
製造業の検査業務を効率化する方法とは
製造業においては、製品の品質検査は必要不可欠ですが、検査データを手作業で入力するなど、非効率的な進め方をしているケースはよく見られます。本記事では、全数検査や抜き取り検査などの、生産工程で発生する検査の効率化について、解説します。
製造業における品質検査とは
品質管理は「工程管理」「品質検証」「品質改善」の3つの取り組みから構成されており、製造業における品質検査とは、品質検証の取り組みの1つになります。材料・仕掛品・完成品に規定されている、品質基準を満たしているかを確認する重要な工程です。
品質検査は不良品発生の防止や品質の維持・向上を目指し、正しい工程で製造され一定の品質を保証するための検査です。品質検査と一言でいっても、「破壊検査」「非破壊検査」「抜き取り検査」「全数検査」など、検査する対象によって検査方法が変わります。
製造業における品質検査で効率化すべき
ポイント3選
では、品質検査の実施にあたっては、不良品・合格品の選別を正確に行いながら、検査作業の効率化を向上することがポイントとなるため、検査工程のムダを削減することが重要になります。
よくあるムダとして、品質検査を実施する際、測定後の実績入力を紙の検査表に手作業で入力しているケースが見られます。しかし、このような作業方法は非効率なものであり、検査工程におけるムダが生じる原因となります。
ここでは、手作業入力により生じている品質検査のムダを3つご紹介します。
ポイント①:手作業で入力するだけの時間
1つ目のムダは、測定結果の実績入力の時間です。
紙を用いた検査の場合、検査作業と同時に測定結果の入力を行うことができません。そのため、測定結果を入力するたびに検査作業を中断しなければならず、手作業で測定結果を入力するだけの時間が発生してしまいます。
ポイント②:紙媒体の入力からPCへの転記作業
2つ目は紙からPCへの転記作業です。
測定結果の入力を紙に手作業で行っている場合、データを活用するために、紙に入力した測定結果をその後PCにデータとして転記するケースもあります。転記作業が発生すると、紙とPCで2度同じ実績入力作業が発生してしまいます。
また、データへの転記作業は、検査直後ではなく、検査を行ってしばらく時間が経過してから行われることも多く、ヒューマンエラーが発生しやすいことも大きな問題です。間違って入力されたデータを活用することで、さらなるミスやトラブルが発生する可能性もあるため、企業は転記作業自体を無くせる仕組みや手段を取り入れることが必要です。
ペーパーレス化について詳しくは以下の記事をご覧ください。
ポイント③:手持ち測定器と測定結果の
手書き入力時の持ち替え時間
検査作業中は、手持ち測定器で製品のデータを取った後、測定結果を入力する際に、測定器と筆記用具の持ち替え作業が発生しています。検査結果の入力のたびにこのような持ち替え時間が発生していると、大きな時間ロスとなってしまい、検査効率が低下してしまいます。また、検査作業とデータ入力の繰り返しを行うことで、作業工数も膨らみ、それぞれの作業時間にも影響を及ぼしかねません。
これらのようなポイントを効率化することで、工数の削減に加えヒューマンエラーによるミス削減も実現可能になります。
今回効率化するポイントは「品質検査」に注目しておりますが、品質管理には他にも削減できるムダが存在します。以下では品質管理の要素である「工程管理」「品質検証」「品質改善」それぞれに適切な改善できるポイントをご紹介しております。
これらのようなポイントを改善し実績記入時間を削減する以外にも、紙媒体自体の利用を削減することでさらなるムダ削減に貢献できます。
例えば、検査仕様書をデジタルで表示し、仕様書を探して持ってくる時間を削減し、さらに実績を音声認識で入力することで紙媒体の利用を削減しムダを削減することも可能です。
以下では検査仕様書をデジタル表示することができるソリューションを紹介していますので、あわせてご覧ください。
次章では、製造業における品質検査で効率化すべきポイントの改善が可能な手段である音声認識入力をご紹介します。
音声認識入力で検査入力の工数20%削減?!
検査におけるムダを解消する手段の1つに声による検査入力ができる「音声認識入力」があります。
データ入力を音声認識入力に切り替えることで、紙への手書き入力を無くし、検査作業のハンズフリー化が実現可能です。
検査作業がハンズフリー化されることで、データ入力のために測定器と筆記用具を持ち替えるムダもなくすことができます。実際に音声認識入力に切り替えたことで、工数削減20%を達成した事例もあり、その効果は非常に大きなものと言えます。
そのほかにも、音声認識入力であれば、システム上にデータが直接入力されるため、データの転記作業も不要となります。人手で行う転記作業がなくなると、人手では避けられないヒューマンエラー防止にもつながるため、検査作業の効率化も実現できます。
音声認識入力により自動化・効率化したい検査
製造現場の方々は、突然、音声認識入力と言われても戸惑うかもしれません。ここでは、具体的にどのような検査に音声認識入力を活用できるのか一部をご紹介します。
ノギスを使用した測定による検査
抜き取り検査の測定を行う際に、測定器としてノギスを使用した検査があります。このノギスを使用する場合、検査結果の入力時に測定器と筆記用具の持ち替え時間が発生してしまいます。持ち替え時間の発生は、ノギスで計測した後に行う検査表への実績入力が煩雑になってしまう恐れがあります。
音声認識入力を導入することで、ノギスでの検査を行いながら、音声で検査結果を入力できるため、持ち替えの手間を削減し作業を中断すること無く、効率よくデータ入力を行うことができます。よって検査工数の削減も可能です。
ゲージ検査
ゲージ検査とは、プレーンプラグゲージやねじゲージ(限界ゲージ)を使って「通る」か「止まる」かの検査を行い、判定の基準とする検査方法のことです。前述したノギスを使用した検査と比べて、誰でも簡単に短時間で正確な検査ができる点が特徴です。
ゲージ検査においても、ノギスでの検査と同様に測定器と筆記用具などの入力用具との持ち替え時間が発生しているため、音声認識入力によってハンズフリー化することで、検査工数の削減ができます。
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