RFタグの寿命は?
製造現場で長持ちさせるポイントを解説
製造業をはじめ多くの業界で普及しているRFIDですが、寿命を過ぎたRFタグを使用していると思わぬリスクが発生します。そのため、RFタグの寿命を把握し、寿命を短くする環境や条件をなるべく避けることが重要です。
本記事では、RFタグの寿命を左右する要因や種類別のRFタグの耐久性、RFタグの寿命を延ばすポイントを解説します。
RFタグの寿命が短いと発生するリスク
RFタグ(ICタグ)の寿命は種類によって異なりますが、2~5年のもの(アクティブタグ)もあり、寿命が想定より短い場合、以下のようなリスクによりシステム全体の信頼性を損なうおそれがあります。
読み取り不能によるトレーサビリティの喪失
RFタグの寿命が尽きると、通信が不安定になったり、完全に読み取れなくなったりします。これにより、製造履歴が追跡できない、出荷・入荷の記録が残らない、どの工程で異常が発生したか特定できないといったリスクが生じます。
特に、自動車部品・食品・医薬品のように品質や安全性が高いレベルで求められる分野では、RFタグ不良が重大な問題の発生原因になりかねません。
在庫管理の精度低下によるミスの頻発
寿命の短いRFタグを使用していると、棚卸時の読み取り漏れや在庫データと実在庫の不一致といったミスが発生しやすくなります。在庫情報の信頼性が落ちると、余剰在庫や在庫切れなどが起き、結果的にコスト増につながります。
現場の混乱と工数の増加
寿命が尽きることによりRFタグの読み取りトラブルが頻発すると、現場では手作業での確認作業やRFタグの交換作業が必要になるほか、再スキャンを繰り返すため処理が遅延します。結果として、本来RFIDで減らせるはずの工数が逆に増える状況を招き、導入効果が薄れてしまいます。
RFタグの寿命を左右する要因
RFタグの寿命は、主に以下の要因によって左右されます。
使用環境
RFタグの寿命は使用環境によって大きく影響を受けます。
例えば高温や低温にさらされると、RFタグの内部部品や接着剤が劣化しやすくなります。また、湿気や水分が多い環境では、アンテナ基板の腐食や短絡が起こりやすくなり、RFタグの性能が低下します。
化学物質や長期間の紫外線への曝露も、RFタグの素材や部品を劣化させる要因です。
以下の記事では、使用環境別に最適なRFタグを紹介していますので、併せてご覧ください。
使用頻度
アクティブタグ(後述)の場合、頻繁な読み取り/書込みといった操作は、マイクロチップの劣化や電池の消費を早める可能性があります。
物理的には、貼り替え・再装着を繰り返すと粘着面やケースが劣化し、RFタグの破損につながります。また、曲げや圧迫を繰り返す使用環境ではアンテナ断線が発生しやすくなります。
素材の品質
耐久性の高い素材を使用したRFタグは、摩耗や環境ストレスに強く、長寿命です。
例えば、耐熱・耐湿・耐薬品性の高い樹脂(例:エポキシ)を使用しているRFタグは寿命が長い傾向があります。一方で、低品質な樹脂は紫外線や温度変化で早期に劣化してしまいます。
アンテナや表面保護ケースなどの素材も耐久性を左右し、表面保護ケースに品質の低いプラスチックを使用しているとひび割れが起きやすく、チップが露出して寿命が短くなります。
【種類別】RFタグの耐久性
RFタグは大きく分けてアクティブタグ、パッシブタグ、セミパッシブタグの3種類があり、それぞれ耐久性が異なります。
アクティブタグ
アクティブタグは内蔵バッテリーにより動作するタイプのRFタグです。長距離通信が可能ですが、バッテリーの消耗に合わせて交換が必要になります。
そのため後述のパッシブタグに比べ寿命は短く、一般的には2~5年程度です。さらに、使用頻度や使用環境(温度や湿度など)によって寿命が短くなる場合があります。
パッシブタグ
パッシブタグはバッテリーを持たず、RFIDリーダライタから送信される電波を利用して動作するため、メンテナンスがほぼ不要です。
寿命は10~20年以上とされ、RFタグの物理的な耐久性に依存します。バッテリーがないため、理論上は半永久的に使用可能ですが、環境条件(紫外線、湿気、化学物質など)や物理的な損傷により寿命が短くなる可能性があります。
セミパッシブタグ
通常は電波を発しない状態で待機し、RFIDリーダライタから電波を受信した際にバッテリーを使用して通信を行うタイプです。パッシブタグよりも長い通信距離を実現し、常時発信するアクティブタグよりも寿命は長い傾向があります。
一般的な寿命は2~7年ほど(バッテリー寿命に依存)とされ、使用頻度や使用環境の影響を受けます。
RFタグの寿命を延ばすポイント
RFタグの寿命を延ばすためには、以下の点に注意して使用することが重要です。
適切なRFタグの選定
耐久性の高い素材を使用したRFタグや、使用目的・環境に適したRFタグを選ぶことで、寿命を大きく延ばせます。
素材に関しては、銅・スチール系のアンテナ素材、エポキシ封止やポリカーボネートケースなどを採用しているRFタグは耐久性が高いです。
使用環境の面では、高温環境(工場炉周辺、乾燥機など)では耐熱RFタグ、湿気の多い環境や水分を扱う環境では防水・耐湿RFタグ、金属製品に貼付するなら金属対応RFタグを選ぶと良いでしょう。
また、寿命重視なら電池のないパッシブタグが適しており、データの書き換えが多い場合は上限の回数を確認しておくと安心です。
RFタグの選定方法の詳細については以下資料をご覧ください。
環境要因の管理
過酷な環境ではRFタグの寿命が短くなるため、可能であれば環境条件を適切に管理することが求められます。
例えば、長時間極端な高温や低温にさらさない、湿気や水分を防ぐ、化学物質への曝露を最小限にするなどの工夫が効果的です。
荷物の積み下ろしでRFタグが頻繁に衝突する場合、RFタグを保護するケースやカバーを装着したり、フォークリフトの動線から離した場所に貼り付けたりするなど、物理的な対策も行うと良いでしょう。
以下の記事では高温環境で使用できる、耐熱性能のあるRFタグについて紹介しています。高温環境でRFIDを活用したい方はご覧ください。
定期的なメンテナンス
定期的かつ適切なメンテナンスを行うことで、RFタグの性能を維持し寿命を延ばすことが可能です。
こまめな点検によりRFタグの物理的損傷や劣化の兆候を確認し、必要に応じて交換することはもちろん、アクティブタグは読み取り時にバッテリーの確認も忘れずに行うようにします。
また、粘着RFタグや保護ケース、ネジによる固定があるRFタグは、剥がれや浮き、破損やネジの緩みがないか定期的にチェックします。
不要な読み取りや書込みを減らし、RFタグの摩耗を抑えることも重要です。
適切な運用でRFタグを長く活用しよう
RFタグの寿命は、環境条件、使用頻度、素材の品質、物理的ストレス、タグの種類、そしてメンテナンスの有無などによって大きく左右されます。これらの要因を考慮して適切なRFタグを選定し、定期的な管理を行うことでRFタグの寿命を最大限に延ばすことが可能です。
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また、こちらの資料では各種業務で利用できるRFタグを一覧でご確認いただけますので、併せてご覧ください。
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