RFID活用による、
工具の持ち出し管理を効率化する方法とは?
製造現場に欠かすことのできない工具は、使用するときに持ち出し、使用後は返却するケースが一般的です。そのため、支障なく業務を遂行するためには、工具の持ち出し管理を適切に行う必要があります。本記事では、工具の持ち出し管理を効率化するために重要な「みえる化」による管理方法をご紹介します。
製造現場において
工具の持ち出し管理を行う必要性
製造現場では、対象物を加工するためにさまざまな工具が使用されています。例えば、ドリル・エンドミルなどの穴あけ・切削を行う工具や、ドライバー・スパナなどのネジ・ボルトを締めるための工具が挙げられます。これらの工具は、製品の品質向上や、作業の効率向上のためにも、製造現場において欠かせないものです。
工具は、使用する際に作業者によって持ち出し、使用後は返却を行っているケースが一般的です。そのため現場では、この持ち出し・返却の管理を徹底して行う必要があります。
持ち出し管理ができていないことによるリスク
工具の持ち出し管理ができていない場合、工具の所在が分からず、その探索に多くの時間がかかってしまいます。また、管理ができておらず工具を紛失してしまった場合、再度購入しなければならず、ムダな出費の発生につながる可能性もあるでしょう。
そのほかにも、紛失した工具が原因となる事故など、作業員の怪我につながる恐れもあります。
このように持ち出し管理ができていないために発生するリスクは決して小さくなく、製造現場では重要な課題の1つといえます。
工具の持ち出し管理における
よくある悩みと解消方法
以下では、工具の持ち出し管理を行う製造現場にてよくある悩みをご紹介します。
持ち出し/返却時の台帳記入が手間
持ち出し管理を行う場合、紙や表計算ソフトでの台帳による管理を行うケースが一般的です。
台帳は企業によって内容は異なりますが、管理番号や工具名、使用者、保管場所、持ち出した時間、返却の時間などの情報を記載します。
多くの製造現場では、持ち出しや返却時の台帳への記入を、その都度手書き・手入力で記録しているケースが多く、作業員にとって大きな手間となっています。
台帳記入の抜け漏れが発生する
作業員が台帳へ記入する場合、記入や入力の抜け・漏れ、読む側が文字を解読できないなどの問題が起こる可能性があります。
また、紙による台帳管理だと同時編集ができず、管理が煩雑になりやすい点にも注意しなければなりません。
工具の棚卸作業に工数がかかる
持ち出し管理を徹底するためには、未返却の工具がないか、紛失をしていないかなど、工具の棚卸を定期的に行わなければなりません。
しかし、棚卸は目視で行うケースが多く、長い作業時間がかかるため、確認ミスなどのヒューマンエラーが起こる可能性があります。また、棚卸結果は、別途台帳へ反映する必要があるため、こちらも時間がかかりミスが発生する原因です。
持ち出し管理の悩み解消には「みえる化」が重要
前述のような悩みを解消し、リスクを防止するためには、工具の持ち出し管理のみえる化が重要です。
みえる化とは、状況や問題点を「目で見て分かる」状態にし、人がより効率的に動ける環境を創ることです。
工具の持ち出し管理の場合、誰が持ち出したのか、何が持ち出されているのか、今どこにあるのかといった点を確認できる状態にあると適切だといえます。また、持ち出したものの場所が一目で分かる、形跡整頓をするといったことも重要です。
また、みえる化は、リスク防止だけでなく、紛失防止によるムダなコストの削減や、業務効率化のメリットもあります。工具の備品管理のみえる化については以下記事をご覧ください。
続いては、みえる化を簡単に実現し、工具の管理にまつわる悩みを解消しながら、管理を効率的にする方法をご紹介します。
RFID活用による工具の持ち出し管理効率化
工具持ち出し管理を効率化する方法として、RFIDの活用があります。RFIDとは、無線通信によって情報のやり取りができる技術のことです。工具などの対象物にRFタグを取り付け、専用のリーダーで読み取ることで、みえる化が行えます。
実際にRFIDを活用することで、どのように持ち出し管理が効率化できるのかご紹介します。
RFタグを読み取るだけで台帳記入が可能
貸し出し、返却時にRFタグを取り付けた工具または、作業員の管理タグを読み取ることで、「誰が」「いつ」「何の工具を」持ち出したかを自動的に記録できます。そのため、紙や表計算ソフトの台帳記入の手間を低減することが可能です。
システムによる管理で抜け漏れを防止
RFタグを読み取るだけで、システム上に記録されるため、手 書きや手入力によるミスを削減できます。情報の表示形式もフォーマット化されるため、情報を解読できないといったリスクもなくなります。
また管理システム上では、同時編集が可能であり、リアルタイムに状況が反映されるため、貸し出し・返却状況の確認がラクになり、抜け漏れ防止にもつながります。
RFタグの複数読み取りにより棚卸の工数を低減
RFIDはRFタグの複数読み取りが可能であるため、棚卸作業の工数を大幅に低減できます。
また、リーダーによる読み取りであるため、目視によるヒューマンエラーも防止可能です。そして棚卸記録はそのまま管理システムへ反映されるため、作業を効率化することもできます。
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小林クリエイトでは、創業から80余年培ったノウハウとさまざまなIT技術を駆使して、あらゆる現場の改善を行っています。特にRFIDについては、お客様の利用シーンに合わせた最適なRFタグの提案やRFIDを活用したシステムソリューションの開発・提供、運用のサポートを行っております。
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