RFIDは金属に貼れる?
読み取れない理由と金属対応RFタグの
選び方・取り付け方法を解説
製造業の現場をはじめ幅広い分野で活用されているRFIDは、検品や在庫管理などを効率化できる技術です。
一方で、金属の影響を受けやすく、読み取り精度が低下するという課題があります。特に以下のような問題が発生します。
・ 金属による電波の反射・干渉により読み取り精度が低下する
・ 通信距離が短くなる
・ 通常のRFタグでは安定した運用が難しい
そのため、金属にRFタグを貼り付ける場合には、金属対応のRFタグを選ぶことが重要です。本記事では、RFIDが金属の影響を受けやすい理由や、金属対応のRFタグを取り付ける方法を解説します。
RFIDが金属に弱い理由とは?
RFIDは、電波を用いてRFタグにあるICチップの情報を非接触で読み書きする自動認識技術です。離れた距離からでも一括でタグの情報を読み取れるため、検品や在庫管理の現場で広く活用されています。
しかし、RFIDは金属の影響を受けやすく、一般的に「金属に弱い」とされる特性があります。
主な原因は以下の通りです。
・ 電波が金属表面で反射する
・ 応答信号が干渉し打ち消される
・ 通信距離が短くなる
これらの要因により、RFタグの読み取りが不安定になります。
また、金属面から一定の距離を確保した場合でも、干渉により通信距離が短くなることがあります。
RFIDの周波数帯と金属の影響の違いとは?

RFIDにはLF帯・HF帯・UHF帯といった周波数帯があり、金属の影響の受けやすさはそれぞれ異なります。特に製造業の在庫管理や物品管理で多く利用されているUHF帯は、金属の影響を受けやすい周波数帯です。
UHF帯は金属表面で電波が反射しやすいため、応答波との干渉によって読み取り精度の低下や通信距離の短縮が発生することがあります。一方、HF帯はUHF帯と比べて金属の影響を受けにくく、近距離であれば比較的安定した読み取りが可能です。
ただし、近年では金属環境での利用を想定した金属対応RFタグも普及しており、UHF帯でも高い読み取り精度を実現できるようになっています。
RFIDを金属に取り付ける方法とは?
RFIDを金属に取り付けるには、主に2つの方法があります。
金属の影響を受けやすいRFタグでも、以下の方法によって安定した運用が可能です。
金属面から離して貼り付ける
前述の通り、RFタグは金属の影響を受けやすく、金属面に直接貼り付けると正常に動作しない場合があります。
そのため、金属面から一定の距離を確保して取り付けることが有効です。
具体的な方法は以下の通りです。
・ プラスチックやゴムなどの絶縁体を挟む
・ 金属面から一定の距離を確保する
金属から離すことで電波の反射や干渉の影響を軽減し、読み取り精度を維持しやすくなります。
ただし、距離を確保した場合でも干渉を完全に防ぐことは難しく、通信距離が短くなる可能性があります。
金属対応のRFタグを用意する
金属にRFタグを取り付ける場合は、金属対応のRFタグを使用する方法が有効です。
金属対応RFタグの主な特徴は以下の通りです。
・ 金属の影響を受けにくい構造
・ 金属面に直接貼り付けが可能
・ 通信距離や読み取り精度を確保しやすい
このように、金属対応RFタグを使用することで、金属面でも安定した読み取りが可能になります。
また、一部の金属対応RFタグには、対象物の金属をアンテナとして利用し、通信性能を高める仕組みもあります。
金属対応RFタグの種類と選び方
金属製の対象物をRFIDで管理する場合は、使用環境や対象物の形状に適したRFタグを選定することが重要です。金属対応RFタグにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や適した用途が異なります。
ラベルタイプ
ラベルタイプの金属対応RFタグは、シールのように貼り付けて使用するタグです。比較的低コストで導入できるため、管理対象が多い場合や導入コストを抑えたい場合に適しています。
薄型で取り付けやすい一方、強い衝撃や摩擦が発生する環境では破損する可能性があります。そのため、屋内設備や比較的負荷の少ない環境での利用に向いています。
樹脂封止タイプ
樹脂封止タイプは、RFタグを樹脂で保護した耐久性の高いタグです。防水性や耐衝撃性に優れており、屋外や過酷な環境でも利用しやすいことが特長です。
製造現場では、パレットや通い箱、設備備品などの管理で活用されています。また、水や油が付着する環境でも使用しやすいため、長期間の運用を想定する場合に適しています。
金型タグ(ハードタイプ)
金型タグ(ハードタイプ)は、金属環境での読み取り性能を重視した専用の金属対応RFタグが適しています。
金型や治具は金属製であることが多く、一般的なRFタグでは読み取り精度が低下する場合があります。一方で、金型タグ(ハードタイプ)は金属面への取り付けを前提に設計されているため、金属面に直接取り付けても安定した読み取りが可能です。
また、耐衝撃性や耐熱性に優れた製品もあり、製造現場のような過酷な環境でも利用しやすいことが特長です。金型や治具だけでなく、設備や金属製パレットなどの管理にも活用されています。
金属対応のRFID・RFタグで適切な管理をしよう
ここまで解説したように、RFIDは金属の影響を受けやすいものの、金属対応のRFタグの活用や適切な取り付け方法によって安定した運用が可能です。
製造現場では、金型や治具、金属パレットなどの管理にRFIDが活用されています。金属対応RFタグを使用することで、対象物の所在や貸出状況を把握しやすくなり、棚卸や探索にかかる工数の削減につながります。
特に金型や治具は、所在管理だけでなく、使用履歴やメンテナンス情報の管理も重要です。RFIDと管理システムを組み合わせることで、貸出状況や保管場所をPCやタブレットから確認できるようになり、管理業務の効率化を実現できます。
金型管理の課題やその解決方法についてはこちらの記事で解説しています。
また、RFIDの導入効果を最大化するためには、管理対象の材質や形状、使用環境に適したRFタグを選定することが重要です。導入後に「思うように読み取れない」「運用に合わない」といったトラブルを防ぐためにも、事前に用途や運用環境を整理した上でタグを選ぶ必要があります。
RFタグの選定ポイントや導入時に確認したい事項について詳しく知りたい方は、以下の資料をご覧ください。
小林クリエイトで取り扱っているRFタグの種類や特長については、以下の資料でご紹介しています。
RFIDと金属対応タグに関するよくある質問(FAQ)
Q.RFIDはなぜ金属に弱いのですか?
A.RFIDは電波を利用して通信を行うため、金属表面で電波が反射・干渉し、読み取り精度が低下するためです。
Q.金属にRFタグを取り付ける方法はありますか?
A.主に「金属から距離を確保して取り付ける方法」と「金属対応RFタグを使用する方法」の2つがあります。
Q.金属対応タグとは何ですか?
A.金属対応タグとは、金属の影響を受けにくい構造や材質で設計されたRFタグで、金属面に直接取り付けても安定した読み取りが可能です。
Q.UHF帯とHF帯はどちらを選ぶべきですか?
A.用途によって異なります。一般的に在庫管理や物品管理では、長距離かつ一括読み取りが可能なUHF帯が多く利用されています。金属環境で使用する場合は、金属対応のUHFタグを選定することで安定した運用が可能です。一方、近距離での読み取りが中心の場合はHF帯が適しているケースもあります。
Q.金属対応RFタグはどのようなものに利用できますか?
A.金型、治具、金属パレット、設備、工具などの金属製品の管理に利用できます。金属対応RFタグを使用することで、所在管理や貸出管理、棚卸業務の効率化が可能です。
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RFタグ・ラベル選定方法

活用シーンと導入メリット・注意点を解説




