RFID導入におけるリーダーとタグは
どう選ぶ?選定時の軸を解説
RFIDリーダー・タグには多くの種類があり、タイプによって交信距離や特徴、適した使用環境などが異なります。そのため、どのような基準で選べば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そうしたお悩みを持つ方に向けて、RFID導入時のリーダー・タグの選定軸を解説します。
RFIDリーダー・タグ選定時のよくある困りごと
RFIDの導入にあたっては、自社の使用環境や運用方法に合ったRFIDリーダーとタグを選定することが重要です。本章では、その際によくある困りごとをご紹介します。
・RFIDのリーダーやタグをどう選んだら良いのかわからない
RFIDのリーダーやタグは種類が多く、どれを選ぶべきか悩むことが少なくありません。例えばタグには「パッシブタグ」「アクティブタグ」「セミパッシブタグ」の3種類があり、リーダーには大きく分けて「ハンディタイプ」「定置型」の2種類があります。
また、周波数帯もLF帯、HF帯、UHF帯、マイクロ波帯といった種類があり、読取距離や特徴が異なるため自社の利用ケースに適した周波数を選ぶ必要があります。
同じ種類でもメーカーによって特徴は異なり、どのような選定基準で選べば良いか悩む方も多いのではないでしょうか。
タグの種類について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
・自社の環境に適したリーダーやタグがどれかわからない
タグは金属や液体に弱いものもあり、そうした環境では性能が著しく低下する可能性があります。タグの取り付け場所や使用環境に応じて、特別なタグが必要になることもありますが、どのリーダーやタグが自社の環境に適したものかわからないという課題がよくみられます。
使用環境に合ったタグの選び方については、以下の記事をご覧ください。
また、RFID導入の流れについては以下の記事をご覧ください。
RFIDリーダー・タグを選ぶ際の軸
以下では、RFIDを選ぶ際の軸をリーダー、タグ、リーダー・タグ共通といった機器の観点から解説します。
リーダー
リーダーに関しては、以下の軸で選定すると良いでしょう。
・使用頻度や運用方法に適したリーダーはどれか
リーダーは種類によって使用頻度や運用方法に適したものが異なり、大きく分けてハンディタイプと定置型があります。
リーダーのハンディタイプには、一体型や、PCやスマートデバイスとBluetoothで接続するセパレート型があります。
また、定置型には据え置き型や卓上型があります。
例えば、RFリーダー・アンテナが組込まれている一体型のハンディタイプ(RFID対応のハンディターミナル)は持ち運びしやすいので、倉庫での製品や在庫の棚卸、備品や治具などの管理・探索に適しています。なお、一体型のハンディタイプの操作は十字キーやテンキーなど物理キーで行うため、ヘビーユースでの信頼性が高いです。
特定の場所に設置して使用する定置型の据え置き型は、移動するモノが読取エリアを通過したときに自動で一括読取するタイプであり、入出庫管理や生産ライン管理、セキュリティ管理への活用が適しています。また定置型の卓上型は、設置が容易なことやハンズフリーで使用できることが特徴です。
リーダーの種類とその特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
・読取距離に適したリーダーはどれか
使用する場面によって必要な読取距離は異なり、リーダーの種類によっても交信可能な距離は異なるため、過不足のない通信距離を持つリーダーを選ぶことが重要です。
電波出力や周波数帯などによっても交信可能な距離は異なるので、選定する際によく確認しておく必要があります。
例えば周波数帯ごとの交信距離は、LF帯は約1m、HF帯は約50cm、UHF帯は約5~10mであることが一般的です。
リーダーごとの読取距離の詳細は以下の記事で解説しています。
・RFIDで読み取った情報の管理・活用方法に合ったリーダーはどれか
読み取った情報の管理・活用方法に合ったリーダーを選ぶことも重要です。
例えば、WLANを使用したリーダーであれば他のデバイスとのワイヤレス接続ができます。また、Bluetooth搭載のリーダーであればホストコンピューターやスマートデバイス(スマートフォン、タブレット等)とのワイヤレス接続が可能です。
このように、情報を管理・活用するデバイスと接続できるインターフェースのあるリーダーを選ぶ必要があります。
タグ
タグに関しては以下の軸で選定すると良いでしょう。
・取付対象物に適したタグはどれか
タグを取り付ける対象物によって、適したタグが異なります。
具体的には、一般的なタグ(特にUHF帯)は金属の干渉を受けやすく、タグから発せられる応答波が妨害されて読み取れなくなってしまいます。そうした場合には、金属対応のタグを選定する必要があります。
金属対応のタグについては以下の記事で詳しく解説しています。
・使用環境に適したタグはどれか
金属以外にも、高温の環境や傷付けたくないモノのある環境、光を受ける環境などでタグを使用する場合、それぞれの環境に適したタグを選ぶことが大切です。
例えば高温環境では耐熱タグ、光が強い環境や温水・水流のある環境では樹脂封止タグが最適です。
使用環境ごとにどのようなタグが適しているかについては、以下の記事で解説しています。
リーダー・タグ共通
・価格はどのくらいか
リーダー・タグに共通している選定基準としては価格があり、当然、自社が想定する予算の範囲内で最適なものを選ぶ必要があります
近年はRFIDシステムの導入が進み、タグを中心にコストダウンが進んでいる状況です。
リーダーの価格としては、出荷量の増加・技術の進歩により、ハンディタイプや据え置きタイプのRFIDリーダーで1台20万円~30万円程度の機種も登場しています。
タグに関しては、標準的なタグ・ラベルで1枚10円~30円台程度です。
なお、これらに加えて実際に導入する場合には、ソフトウェアや周辺機器(RFID対応のラベルプリンター)などの購入も必要です。
RFIDの価格については以下の記事をご覧ください。
RFID選定は小林クリエイトにご相談ください
RFIDには多くの種類があり、種類によって特徴が異なるので、リーダー、タグそれぞれの観点から自社の使用環境や運用方法に適したものを選ぶことが大切です。
小林クリエイトでは、さまざまな種類のRFタグ・ラベルをお客様のニーズや使用環境に合わせて提案しています。製造業の現場改善で培ったノウハウを活用し、貴社に最適な RFID 製品の運用サポートが可能です。
RFタグ・ラベルの提案だけではなく、RFIDを利用したシステム・ハード、印字・エンコード受託もあわせて提供しています。
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