入荷作業を効率化するためには?
ポイントと事例をご紹介
入荷作業とは、仕入先や工場から届いた荷物を倉庫内に搬入する作業のことです。入荷作業には複数の工程があるため、余計な手間や時間がかかりやすく、手間が増えることでヒューマンエラーも誘発してしまいます。本記事では、入荷作業を効率化するためのポイントと、実際に効率化に成功した事例をご紹介します。
入荷作業の流れとよくある課題
倉庫での入荷作業は、「入荷」「検品」「入庫」の流れで行われます。入荷では納品書を受領して製品を受け取り、検品では数量や種類、傷や汚れの有無などを確認し、入庫では検品が完了した製品を倉庫に搬入して保管します。
「入荷」と「入庫」は混同されやすいですが、入庫は入荷作業の一環です。入荷は倉庫の外から倉庫内に荷物を搬入することを指し、入庫は倉庫内で荷物を保管場所に移動させることを意味します。
入荷作業は物流業務の重要な作業の1つですが、よくある課題として以下のようなものが挙げられます。
- 倉庫内が整理整頓されておらず、作業効率が低下する
倉庫内が整理整頓されていないと、「入庫の動線が遠回りになる」「正しい入庫場所を把握しにくい」といった問題が生じ、作業効率が低下してしまいます。また、モノが煩雑に置かれていることで、作業員のケガにつながる恐れもあります。 - 検品に多くの時間や工数がかかり、ヒューマンエラーにもつながる
検品はミスなく行うことが最優先であるため、入念な確認作業を行うことで作業時間や工数が多くかかってしまいます。検品作業には、製品を「取り出す」「見る」「仕様書と相違がないか確認する」「検品結果を入力する」「棚に収容する」といった工程があります。この際、リストと製品の現物が合っているかを目視で確認している現場では、さらに多くの手間がかかってしまいます。
また、入荷検品において人手に頼った作業が多くなると、ヒューマンエラーの発生にもつながります。例えば、入荷票などに棚番号や数量を手書きし、その情報を改めてPCへ手入力するといった作業が発生していると、作業が二度手間となる他、手入力時にデータ入力ミスが起こる懸念もあります。
こうしたヒューマンエラーを防ぐために、現場では2人1組でダブルチェックを行っている場合があります。しかし、扱う品目が増えるとダブルチェックにも多くの人手が必要になるため、人手不足に悩む製造業の現場では対応が難しいこともあります。
検品作業の課題とその解決方法については以下の記事で詳しく解説しています。
このように、入荷作業に時間や手間がかかったり、ミスが起こったりすると、倉庫内の作業全体の作業効率に悪影響を及ぼすため、これらの課題に適切に対処することが重要です。
なお、入荷作業だけでなく、出荷作業にもさまざまな課題があります。以下の記事では出荷業務のムダを省くヒントを解説していますのであわせてご覧ください。
入荷作業を効率化するポイント
入荷作業を効率化するポイントとしては、以下の5つが挙げられます。
整理整頓を徹底する
まずは、入荷した製品を扱うエリアの整理整頓を徹底します。具体的な取り組みとしては、整った職場環境を維持する「5S」(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を意識し、不要なモノを置かない、台車をはじめ使い終わった用具は元の場所に戻す、棚に入りきらない製品は所定の仮置きスペースに置く、といった対策を行います。これにより、倉庫内の最短の作業導線を確保し、入荷作業の効率をアップさせることができます。
ロケーションを最適化する
次に、どの製品をどの棚に入庫するかという「ロケーション」を最適化します。特に、出荷頻度の高い製品を出荷しやすい位置に入庫すると効率的な入荷作業を実現できます。この時、出荷頻度によって製品をランク付けするABC分析を行うと良いでしょう。
倉庫業務の効率化を行うための5Sの徹底やロケーションを見直す方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
作業マニュアルを整備する
また、基本的な作業の流れや業務内容を分かりやすくマニュアル化します。マニュアルを整備していないと担当者によって入荷作業の方法が異なり、経験の浅いスタッフとベテランスタッフで作業効率に大きな違いが生じます。また、業務の属人化が起こり、担当者が対応できない際に作業が停滞する可能性があります。
こうした現場でマニュアルを整備すると、業務の平準化が進み、誰でも一定のレベルの作業を行えるようになります。また、新人教育を効率的に行うためにもマニュアルの整備は効果的です。
バーコード照合を活用する
バーコード照合を活用することもポイントです。従来の検品におけるチェック作業は、現品票と入荷リストを目視で確認しながら行うために時間がかかり、ヒューマンエラーが発生しやすい課題がありました。
そこで、現品票に記載されている情報を入荷リストとして登録し、バーコード照合によって入荷履歴を確実に取得できる体制を整えます。
さらに、この時倉庫管理システム(WMS)も導入すると、ハンディターミナルでバーコードをスキャンするだけでシステム上で製品データを保管・管理でき、製品がどこに何点あるかをシステム上で簡単に把握できるようになります。これにより、作業員による細かな目視確認が自動化されるため、効率化とともにヒューマンエラーの低減にもつながります。
音声認識入力を活用する
音声認識入力を活用することも効果的です。検品作業で行う、製品を「取り出す」「見る」「仕様書と相違がないか確認する」「検品結果を入力する」「棚に収容する」といった工程では、両手がふさがれて作業効率が落ちることがよくあります。
そのため、ハンズフリーで検品作業を行いながら検品結果を入力し、音声入力したものが自動で管理シートに反映される体制を整えることで、作業効率が大きく向上します。
次章では、音声認識を活用して入荷作業を効率化した事例をご紹介します。
音声認識の活用で入荷作業を効率化した事例
ある輸送機器・電気機器メーカーの企業では、入荷作業時に毎⽇300点以上にのぼる⾃動⾞部品をデータベースで管理するために、現場で⼿書きの伝票を作成していました。さらに、それを事務所に持ち帰り⼿打ちでPCに⼊⼒していたために、⼀連の作業に2人で約8時間もの時間がかかっていました。
そこで⾳声認識技術を導⼊し、⾳声⼊⼒で伝票を作成することで、荷受け業務時のデータ⼊⼒時間を約2時間短縮することができました。さらに、在庫登録までの時間が短縮されたことで、お客様からの在庫に関する問合せに迅速に対応できるようになり、ビジネス機会の損失も軽減されるようになりました。
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