治具・工具管理のトラブルを防止する方法とは?解決策とその効果について紹介
治具・工具は製造業において欠かすことのできないものです。しかし、現場では管理が適切に行われておらず、必要な時にすぐに使用できない、紛失してしまいやすいといったトラブルが起こっています。今回は治具・工具を管理する際によくあるトラブルの例や、トラブルを回避するための方法とその効果について解説します。
治具・工具管理でよくあるトラブル
治具・工具は製品の品質・精度向上や一定化、生産性向上などの実現のために使用されています。主な治具・工具には以下のようなものがあります。
・治具
バイスやクランプ、ブッシュなどの加工をサポートする道具。加工するものや内容に合わせた一品一様となっている。
・工具
切削工具や研削道具などの加工を行う際に必要となるもの。
これらは製品の生産、品質の安定化のためにも必要であり、現場では徹底して管理を行わなければなりません。しかし、実際の現場では管理が煩雑となっているケースが多く、さまざまなトラブルが発生しています。そこで、引き続き現場でどのようなトラブルが起こっているのかを紹介します。
所在管理が属人化している
治具・工具に関するよくあるトラブルの1つが、所在管理が属人化していることです。
製造現場ではさまざまな種類の治具・工具が使われています。しかし、それらの直前の置き場所や数量などについて、各作業者が個別に把握・管理している場合があります。
治具・工具が個人的に管理されている状況は、一見すると大きな問題はないように思えるかもしれません。しかし、治具・工具の所在状況が共有されていないと、作業者以外が治具・工具を扱う時に、正確な置き場所や保管状態が分かりません。そのため、探す時間・手間が発生し、作業にムダが生じてしまいます。
紛失によるムダなコストが発生している
治具・工具の管理が煩雑だと、それらを紛失してしまうリスクが高まります。
例えば、使用状況を適切に把握できていなかったり、整理整頓が行われていなかったりすると、治具や工具の置き場所を遡ることや保管状況を一目で確認することができず、紛失につながりやすくなります。
また、そもそも治工や工具の保管場所がなく個人で所有・管理しているケースなどでは、作業者が持ち出したまま返却されず紛失する状況も考えられます。
こうした要因によって治工・工具の紛失が起こると、治具・工具が寿命を迎えるよりも前に新しいものを購入しなければならず、ムダなコストが発生してしまいます。
工具の持ち出し管理を効率化する方法について以下記事で紹介しています。
治具と同様に、製品の加工の際に使われる道具として金型があります。適切な金型の管理方法については以下の記事で紹介しています。
次章では、治具・工具管理における「属人化」のトラブルと、「紛失」トラブルを解決するための方法を紹介します。
治具・工具管理の「みえる化」と効果
先ほど紹介したようなトラブルを回避し、適切な治具・工具管理を行うためには、「みえる化」を実現することが重要です。みえる化とは、製造業の生産活動において必要な情報を、誰もが客観的に認識・理解できる状態のことを指します。
治具・工具の基本的な管理方法としては、保管の位置決めや管理帳票の記入などが考えられますが、それだけではみえる化は実現できません。以降では、管理においてどのようにみえる化を行うのか、またみえる化によってどのような効果があるのかを解説します。
みえる化の実現方法:
RFタグの活用による治具・工具と機械の関連付け
みえる化を行う効果的な方法の1つが、RFIDを活用した治具・工具の貸出履歴の一元管理です。具体的には、治具・工具にRFタグを取り付け、貸出時・返却時に読み取ることによってシステムに記録します。
また、治具・工具だけではなく、機械にもRFタグを取り付けることで、情報の紐付けが可能となります。機械と紐付けて管理することにより、「どの機械にどの治具を取り付けているのか」といった情報の履歴が取得でき、データベース上でまとめて管理することができます。
効果①:トレーサビリティ管理の実現による
管理工数低減
治具・工具の所在情報をデータベース上で追跡可能な状態することで、トレーサビリティ管理を実現できます。
具体的には、RFタグを治具・工具や機械に取り付けることで、それらの読み取りを行う度に所在情報を蓄積できます。そのため、どの治具・工具が今どこにあるのか、どの工程で使用されているのかといった情報を「みえる化」でき、誰でも追跡できるようになります。これにより、作業担当者に聞きに行ったり確認しに行ったりする手間を省くことができます。
また、製品と治具・工具の所在を管理しておくことで、製品製造過程でトラブルが発生した際に、トラブルが起こった工程やトラブルの要因となった治具・工具を特定することも可能となり、生産ラインや設備、製品の大きな不具合を未然に回避することもできます。
効果②:使用状況の適切な管理でムダなコストを低減
RFタグを読み取ることで、「いつ」「だれが」「何の」治具を使用しているかについて自動的にシステムで管理することができるため、誰でも管理状況や所在を把握できます。
そのため紛失防止や持ち出しっぱなしになっている治具・工具の回収に役立ちます。そして、結果的に新しいものを注文してしまうというムダなコストの発生を防ぐこともできます。
治具・工具の管理効率化を実現
「ぶっぴんさん」
RFタグを活用した治具・工具の管理のみえる化を行うシステムとして、小林クリエイトでは、物品管理システムの「ぶっぴんさん」を提供しています。
ぶっぴんさんは、治具にRFタグ、機械にリンクタグと呼ばれるタグを取り付け、貸出時に双方の機械側の情報を読み取ることで、どの治具をどの機械に取り付けたかを紐付けることが可能です。これにより、管理に伴うトラブルを解消し、トレーサビリティ管理による管理工数の低減、追加購入におけるムダなコストの低減といった効果の実現につながります。
ぶっぴんさんの特徴や具体的な機能については、以下の資料でご紹介しています。ぜひご覧下さい。
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