【コスト管理の煩雑化】
資材管理コスト削減方法とは

製造業の現場においてコストを削減することは重要なミッションの一つです。直接材料にかかるコストについては、多くの企業が厳密に管理を行っています。しかし、煩雑化している副資材や循環資材にかかる間接費用については、見落とされていることも少なくありません。本記事では後者のような資材管理コストを削減する方法として RFID の活用を紹介します。

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不要な購入費やリース費の管理が煩雑化

製造業では QCD( Quality – 品質、 Cost – コスト、 Deliver – 納期)を意識した生産管理が行われています。現場においては、合格ラインの品質や納期を確保したうえで可能な限りコストを抑える努力を日々行っており、直接材料にかかる費用についてはとりわけ意識がされています。

一方で意外に見落とされやすいコストの一つが副資材品や循環資材などの費用である「間接原価」です。主資材がある製品をつくるための原材料であるのに対して、副資材は、オフィス用品や備品など消耗品を意味し、循環資材は通い箱やパレットなどを意味します。これらは、種類や購入数そのものが多いため、直接材料ほど、適切に管理することができておらず、製造や物流の過程において紛失・流出が起きてしまったり、不足する状況に陥ってしまったりすることも少なくありません。例えば、パレットや通い箱が納品先から返却されていないといったケースが考えられます。副資材や循環資材がどこにどれだけあるかを把握できない煩雑な状況の中で、適宜購入やリース契約を行なっているため、不要なコストを支払ってしまっている可能性も十分にあります。

資材管理の一元化がコスト削減の一助に

現場全体の生産性を向上させるためにも、直接材料にかかる費用だけではなく、副資材や循環資材の費用についても一元管理し、適正化していくことが重要です。一元管理を実施することにより、各資材の在庫状況がみえる化され、追加で購入する際の必要量を適正に判断することが可能となります。これにより、ムダな購入やリース契約を行わなくなりコスト削減につながります。

管理の一元化には所在の把握が重要

循環資材や副資材を一元管理するといっても、購入した数や消費した数だけを追っていても十分な効果を得ることはできません。なぜなら、購入し、十分な数を確保できていると思っていても、納品先から返却されておらず、活用できる数は少ないなどのケースも考えられるためです。

すなわち、実態に即した一元管理を行ううえで重要となるのが、購入履歴だけではなく、各資材の所在も把握することが重要です。資材の所在を把握することで、社内で利用できる資材が「何が」「どこに」「どれだけあるのか」、逆に不足する日数を見越して、「いつまでに、どのくらいの資材を追加購入できれば良いか」などを適正に判断することが可能となります。

そこで資材の所在を把握するための方法の一つとして、IoTの活用が挙げられます。紙や表計算ソフトでも管理を行うことは可能ではありますが、管理するために多くの手間や時間が必要となってしまうことに加えて、記入漏れやミスにより、正確な所在情報を把握できないリスクもあります。

代表的なIoTの活用方法としては、RFIDが挙げられます。 

例えばRFIDを活用することで、ゲートを通り抜けるだけで、資材情報を読み取り、在庫の有無や納入先などを簡単に把握することが可能となります。その他にもハンディタイプのRFIDリーダーを活用する方法もあります。また、RFIDタグについても「安価なラベルタグ」や「金属タグ」、「樹脂封入タグ」といくつかの種類があります。コストを考慮すれば、安価なラベルタグだけで対応したいと思いますが、取り扱う製品や輸送方法によっては別のタグを検討する必要があります。

例えば金属製品を取り扱う場合、一般的なシール状の 920 MHz 帯のRFIDタグを貼りつけると、リーダーから放射される電波が金属で反射をして、タグから放射される微弱な応答波は金属面からの反射波で妨害され、ほとんど検知をすることができません。これに対応するためには、金属面でも読み取れるように特殊な加工を施した金属タグが必要となります。

また、循環輸送資材(RTI)のように輸送機器と接触し、タグが破損するリスクがある場合、耐衝撃性が高い「樹脂封入タグ」の方が、最終的にコストメリットが高いこともあります。

まとめ

製造業の生産性や利益率を向上させるうえで、副資材や循環資材といった間接原価についても、一元管理していくことが重要となります。アナログな手法でも、これらを管理することは不可能ではありませんが、本記事でも触れたように無駄な手間やミスが発生してしまうリスクをはらんでしまいます。

そこで小林クリエイトでは、モノづくり現場における業務改善のスペシャリストとして、このような業務改善の支援を実現する、さまざまなサービスをご用意しています。例えば循環資材については、「RePaX (Web) 」という通い箱やパレットなどの所在をみえる化するパッケージシステムを提供しています。 どの工程にどのくらいの資材が溜まっているのか、納入先企業のどこで返却が滞っているのかをすぐさま確認・把握することができます。PC はもちろん、タブレット端末からもアクセスし、確認可能なため、現場にいる作業者や事務所・オフィスにいる資産管理責任者まで、誰もが簡単に確認することができます。

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