RFIDが金属の干渉を受けやすい理由とは?
金属対応のRFタグを取り付ける方法も解説
製造業の現場をはじめ幅広い分野で活用されているRFIDは、検品や在庫管理などを効率化するのに役立つソリューションですが、金属に弱いという弱点があります。そのため、RFタグを金属に貼り付ける場合には金属対応のRFタグを選ぶことが重要です。本記事では、RFIDが金属の干渉を受けやすい理由や、金属対応のRFタグを取り付ける方法をご紹介します。
RFIDが金属に弱いワケ
RFIDは、電波を用いてRFタグにあるICチップの情報を非接触で読み書きする自動認識技術です。離れた距離からでも一括でタグの情報を読み取れるため、検品や在庫管理の現場で広く活用されています。
しかし、RFIDには金属に弱い性質があります。金属面に直接RFタグを貼り付けると、金属面で電波が反射し、RFタグから発せられる応答波が妨害されて読み取れなくなるというのがその理由です。金属面から5mm程度の距離にRFタグを離したとしても、金属面で反射した電波がRFタグからの応答波を打ち消してしまい、交信距離が短くなります。
RFIDにはLF帯やHF帯、UHF帯などの周波数帯がありますが、その中でも金属による影響が大きいのはUHF帯です。UHF帯は周波数が高く金属表面に当たると強く反射されるため、正確な読み取りが難しくなります。ただし金属に対する影響を軽減できるUHF帯のRFタグであれば、比較的高い読み取り精度となっています。
対してHF帯は、UHF帯と比べて周波数が低いため、金属に対する反射が少なくなります。金属から受ける影響が小さいため、近距離での交信であれば対応可能です。
金属対応のRFタグを取り付ける方法
RFタグは金属に弱い性質があるものの、以下の方法で金属に対応する形でRFタグを取り付けることができます。
金属面から離して貼り付ける
前述の通り、RFタグは金属の近くにある場合、金属が電波を反射することからそのままでは正常に動作しないことがあります。したがって、RFタグを金属の表面に直接貼り付けることは望ましくありません。
しかし、金属面から一定程度離れた位置に貼り付けることで、金属による電波の干渉の影響を弱め、読み取りの感度を維持することが可能です。プラスチックまたはゴムの絶縁体を用いてRFタグを金属から離し、金属の反射や干渉を軽減する方法もあります。
ただし、金属面から離れていても干渉を完全に排除することはできず、結果として交信距離が短くなる可能性はあります。
金属対応のRFタグを用意する
一般的なRFタグは金属面に貼り付けると機能しにくいため、金属対応のRFタグを使用することが効果的です。
金属対応のRFタグは、金属の影響を受けにくいよう特殊な構造や材質で加工されています。そのため、金属対応のRFタグを使えば、金属面に直接貼り付けても交信距離が確保できます。
また金属対応のRFタグには、対象物の金属に貼り付けることで対象物そのものをアンテナとして利用し、交信距離を伸ばす仕組みのものもあります。
金属対応のRFID・RFタグで適切な管理をしよう
ここまで解説したように、金属対応のRFタグを活用することで、金属による電波への影響を回避して適切な管理ができます。倉庫や工場によくある金属としては金型が挙げられますが、金属対応のRFタグを金型に取り付けることで管理を効率化することも可能です。
さらに金型管理システムを導入することで、金型の登録情報から貸し出し状況や置き場をPCやタブレットで確認でき、金型を貸し出す際も携帯端末の無線通信によりRFタグを読み取るだけで登録できます。
金型管理の課題やその解決方法についてはこちらの記事で解説しています。
小林クリエイトでは、金型のための物品管理システム「ぶっぴんさんfor金型」を提供しています。携帯端末やRFタグを活用して金型管理をシステム化し、工数の削減と業務効率化を実現できます。金型に直接貼り付けても読み取れる金属対応タグを用意しており、対象物が金属であっても正確な管理が可能です。
金型管理ソリューションの概要についてはこちらをご覧ください。
また、金型管理ソリューションについてより詳しく知りたい方は、下記資料もあわせてご覧ください。
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