RFIDリーダーの種類について解説
ハンディタイプと定置型、
それぞれの特徴と導入ケースをご紹介

業務効率化のためにRFIDの活用を検討している企業の担当者さまは多いのではないでしょうか。RFIDの活用には、RFタグを読み取るためのRFIDリーダーが必要となります。一方で、RFIDリーダーがどのようなものなのか、どのような種類があるのかわからない人もいるでしょう。本記事では、RFIDリーダーの概要や種類、特徴について解説します。

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RFIDリーダーとは

RFIDリーダーとは、電波を使ってRFタグのデータを読み書きする自動認識システム(RFID)で使用される、電波を送受信する機器のことです。RFIDリーダーライタと呼ばれることもあり、電波によってRFタグ・ラベルをスキャンしたり、ICチップにデータを書き込んだりすることができます。また、離れた位置から複数枚のタグを同時に読み取ることも可能です。

RFIDリーダーは、さまざまなシーンで活用できます。例えば、製造現場であれば、物流倉庫の検品作業やピッキング作業、材料や金型等の所在管理などに役立ちます。

以降は、具体的なRFIDリーダーの種類や種類ごとの特徴をご紹介します。

なお、RFIDリーダーを含めたRFID技術についての詳細は以下をご覧ください。

また、RFIDリーダーが読み取るRFタグ・ラベルについては以下記事で解説しています。

RFIDリーダー「ハンディタイプ」の種類と特徴

ハンディタイプのRFIDリーダーは、アンテナとリーダーが一体型になっており、持ち運んで使用できるといったモバイル性に優れている点が特徴です。主に、比較的近距離にある動かない製品に取り付けたRFタグを読み取る際に使用されます。

導入ケースとしては、倉庫での製品や在庫の棚卸といったバックヤード業務、備品や治具などの管理・探索が挙げられます。
導入の費用感としては、基本的なハンディターミナルであれば、本体価格が30~40万円程度となり、加えて充電器、クレードル、データ転送ソフトなどの周辺機器が約10万円程度になります。

ハンディタイプには「一体型」「セパレート型」の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

①:一体型

一体型は、ハンディターミナルにRFIDリーダーを組み込み、分離することができない状態になっているタイプです。操作はハンディターミナル同様、十字キーやテンキーなど物理キーで行うため、ヘビーユースでの信頼性は高いといえます。
ハンディターミナルへ組み込んでいるため、バーコードや二次元コード等の二次元シンボルとの併用が出来るものが多い点も特徴です。そのほかにも、ハンディターミナル特有の堅牢性にも優れています。

②:セパレート型

セパレート型は、RFIDリーダーとアプリが搭載されたスマートフォンなどのモバイル端末が分離されています。RFIDリーダーとモバイル端末は、Bluetoothでペアリングして利用します。操作性を考慮し、アタッチメントを利用することで、一体型同様に固定して使用するケースが多いです。
小型リーダーとモバイル端末を切り離して使用するケースもあり、スマートフォンをポケットに入れたままリーダーのみをRFタグにかざして読み取ることも可能です。

また、iOS用のセパレート型RFIDリーダーのなかには、Lightning接続が可能なものもあります。このようなタイプであれば、Bluetoothで起きがちな意図しない接続切れが発生しにくいといった特徴があります。

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RFIDリーダー「定置型」の種類と特徴

定置型は、特定の場所に設置して、使用するタイプのRFIDリーダーです。移動するモノが、出入口や導線などの読取エリアを通過したときに、データを自動的に一括読取することができます

導入ケースとしては、入出庫ゲートに設置し、自動で製品の品番や数量などを読み取ることで、入出庫管理や生産ライン管理、セキュリティ管理への活用が挙げられます。
導入の費用感としては、リーダーの本体価格25~30万円程度であり、加えて、アンテナ(1枚)が5~8万円程度かかります。また、同軸ケーブルの購入(1本あたり2~5万円。長さや特性により変動)や、ゲート上に設置するものであれば、別途工事費用(1ゲートあたり50万~70万円)が必要な場合もあります。

なお、定置型の主な種類には「卓上型」と「据え置き型」の2種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。

①:卓上型

卓上型は、簡単に設置ができることやハンズフリーで利用できることが特徴で、スーパーや図書館などでも多く利用されています。
弱い出力の電波を出して近くのRFタグを確実に読み取るために使用されるケースが多いため、読み取る対象を一つひとつ運用・管理することに適しています。小売業向けの会計システムなど机やカウンターに設置されるものであれば、外付けアンテナを接続するのが一般的です。モノの持出返却管理などに利用されるアンテナ一体型のものであれば、RFタグのリユース運用におけるRFタグ1枚ずつのデータの書き換え実施にも適しています。

②:据え置き型

据え置き型は、卓上型とは違い、天井や壁、床などに設置する点が特徴であり、長距離でRFタグを読み取る運用に使用されることが一般的です。基本的にアンテナは外付けが多く、環境・用途に合わせてアンテナの選定が必要になります。アンテナを複数枚設置することで、フォークリフトによる入出庫管理や特定エリア出入口での入退場管理など、ゲート方式で広い範囲で一括読み取りさせるシーンでの運用も可能です。
ただし導入の際には、設置や読み取り範囲の調整など、事前の準備に多くの手間がかかります。

rfid_operational_efficiency※(注釈)アンテナを外付けするリーダーの場合、リーダー・アンテナ・アンテナケーブルは、技術基準への適合が認証された製品を使用する必要があります。

出力タイプにおける2つの分類

前章にてご紹介したような種類のRFIDリーダーは出力タイプによって違いがあります。以下では2つの出力タイプによる違いをご紹介します。

①:高出力タイプ 

読み取りの出力が高いタイプのRFIDリーダーであり、より多くのRFタグを読み取ることができ、工数を大幅に削減できる点が特徴です。通信距離については、ハンディタイプであれば6m程度、定置式であれば10m程度の読み取りができます。

注意点として、アンテナ-RFタグ間を電波(無線)でやり取りを行う機器に関しては、国内外を問わず電波法の対象システムとなるため、RFIDリーダーが高出力の場合、運用者による無線局の免許・登録が必要になります。また、利用にあたっては電波利用料のコストが発生します。

②:特定小電力タイプ

特定小電力タイプは、通信距離が高出力タイプよりも劣り、2m程度となります。一方で無線局の免許・登録や電波利用料金は不要であり、導入にかかる手間やコストが少ないため、手軽にRFIDを活用したいケースに適しています

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ご紹介したようにRFIDリーダーは種類や出力タイプが異なります。自社の使用シーンに適したものを導入することで、循環資材の管理工数や、モノを探す時間と手間、金型の「貸出し」「ショット数」の管理などを効率化し、空いた工数で生産性向上のための取組みを行うことができます
また、トラブルなく導入・運用するためにはRFIDやRFIDリーダーについて正しく理解することが大切です。例えば、RFIDの読み取り精度は100%とはいえないことを念頭に置いておくことが必要です。

続いては、自社に適したRFタグ・RFIDリーダーの選定や導入に最適なパートナーをご紹介します。

最適なRFIDリーダー選定は
小林クリエイトまでご相談ください

小林クリエイトでは、ハンディタイプから定置型、有線・無線(無線LAN・Bluetooth)まで幅広いRFIDリーダーを提供しています。また、各メーカーの製品から、お客さまの用途・運用方法など使用シーンに合わせた最適な機種をご提案することができるため、現場改善に向けた最適なアプローチが可能です。

以下の資料では、RFID導入前に確認しておきたい項目をチェックシートでまとめ、その内容を解説しております。RFID導入にご興味のある方はぜひご覧ください。

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