RFタグ・ラベルの種類と
確認すべきポイントとは
選定時の注意点・よくある失敗例も紹介
商品管理や工数削減などにRFタグ・ラベルを使用するケースがよく見られますが、導入の際にはRFタグ・ラベルの種類や設置場所に注意しなければなりません。本記事では、RFタグ・ラベルの導入後の失敗例と共に種類や導入時の注意点について解説します。
RFタグ・ラベル選定における3つの注意点
RFタグ・ラベルにはさまざまな種類があり、使用環境や運用方法・目的によって適切なものを選ぶことが重要です。使用環境に適さない種類のRFタグ・ラベルを導入してしまうことで正常に読み取らない場合も多くあるため注意が必要です。ここでは、RFタグ・ラベルを選ぶ際に押さえておくべき3つの注意点について解説します。
RFタグ・ラベルの種類と特徴を把握する
RFタグは大きく分けて「パッシブタグ」「アクティブタグ」「セミパッシブタグ」の3種類があります。目的によって使用するタグが異なるため、事前に把握する必要があります。
パッシブタグとはRFIDリーダーからの電波を動力源として動くRFタグのことです。通信距離は後述するアクティブタグと比べると短くなりますが、比較的低価格で導入できる点が特徴です。物流業のパレット管理やアパレル業の商品管理などに使われるケースが多いです。
アクティブタグとは、電池を内蔵しているRFタグのことです。通信距離が長いという特徴がありますが、電池の管理を行わなければなりません。主に鮮度管理を目的とした温度センサーに使われます。
セミパッシブタグとは、通常時にはパッシブタグとして動作し、必要な時のみ内蔵電池を駆使してアクティブタグとして電波を発信するRFタグのことです。スマートメーターや車両ドアの開閉、河川水位管理などに使われるケースが一般的です。
以下、比較表のようにRFタグ・ラベルには種類ごとにさまざまな特徴がありますが、現在パッシブタグが一般的に広く使われています。
RFタグの種類についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
使用環境によって適切な周波数帯のタイプを選定する
日本国内でモノの管理を目的として利用されているRFタグ・ラベルは、主にUHF帯(920MHz帯)パッシブタグです。RFタグ・ラベルを使用する環境によって通信距離や金属影響、さらには耐環境性などが異なります。
たとえば、RFIDには、電波が使用されていますが、タグの周辺に金属類があると、読み取りができなくなる恐れがあります。金属類をタグからできるだけ遠ざけておく対策が必要です。
なお、RFタグを含めたRFID技術についての詳細は以下をご覧ください。
読み取り・運用方法に合わせたRFIDリーダーを選ぶ
RFIDリーダーには、大きく分けて「ポータブルリーダー」「ハンディターミナル」「定置式リーダー」の3種類があります。RFタグ・ラベルは単体では機能せず、RFIDリーダーで電波を利用した通信によってタグのデータを読み取って使用するためRFタグ・ラベルの選定と同様に慎重に選定する必要があります。
ポータブルリーダーは、Bluetoothを使ってスマートフォンやタブレット端末に接続して使用するRFIDリーダーのことです。リーダーによっては軽量でコンパクトなものもあるため、使いやすさも備えています。さらにスマートフォンに被せるジャケットタイプやアダプタでスマートフォンを載せるタイプなど一体型として使えるリーダーも増えています。
ハンディターミナルは表示画面とキーボードなどの入力装置を備えた携帯用のデータ収集端末のことです。「データの送受信」「データの読み取り」「データの蓄積」「キー入力」「画面表示」などの機能を備えています。
定置式リーダーは、特定の場所に固定して使用するRFIDリーダーのことです。用途に応じて適したアンテナを接続して使用します。
このようにRFIDリーダーには複数の種類があり、それぞれ異なる特徴を保つため、用途別に適したRFIDリーダーを使用する事によって効果的な活用が可能となります。
RFIDリーダーについては以下の記事でさらに詳しく解説しております。あわせてご覧ください。
次章では、RFタグ・ラベル選定時における失敗例を紹介します。
RFタグ・ラベルの種類が合わないことで起きる失敗事例
ここでは、RFタグ・ラベルを使用していてよく起こる失敗事例について解説します。
衝撃が想定される場所に
RFタグ・ラベルを取り付けてしまう
RFタグ・ラベルを使用する際、物がぶつかるなど、衝撃が起こりそうな場所で使用すると、タグに衝撃が加わりICチップが破損してしまう恐れがあります。また、衝撃自体は少ないものの、RFタグ・ラベルの保護をしないまま使用することで破損するケースもあるため注意しなければなりません。
使用環境に適していないRFタグ・ラベルを使用してしまう
使用環境に応じたRFタグ・ラベルを使用しないと、正常に利用できなかったり、すぐに破損してしまったりする恐れがあります。たとえば、埃や汚れ、砂、水など使用環境が厳しいにもかかわらず防塵や防水対応をしていないためすぐに壊れてしまうことがあります。使用場所を踏まえたうえで、必要に応じて防塵・防水対応を選ぶことが大切です。
金属等の対象物に適していないRFタグ・ラベルを使用してしまう
RFタグ・ラベルは金属の影響を受けるケースもあるため、金属付近での使用には注意しなければなりません。金属等に付けてしまった場合、金属が電波を阻害してしまうため、RFIDリーダーによる読み取りができなくなってしまいます。
RFタグ・ラベルを導入する前に確認するべき
3つのポイント
ここでは、RFタグ・ラベルを導入する前にチェックしておきたいポイントについて解説します。
貼り付ける対象物の材質を確認する
RFタグ・ラベルを貼り付ける対象物の材質は、読み取り性能に大きく影響するため、事前にチェックしておく必要があります。たとえば、取り付ける対象物が金属や導電性であるもの、特殊な素材である場合は、貼り付けるRFタグ・ラベルや貼り付ける場所を変える必要があります。
使用環境を確認して、
適切なRFタグ・ラベルかを確認する
使用環境によっては、RFタグ・ラベルがすぐに破損する恐れがあります。使用する環境が砂や汚れが酷い場合や、雨や湿度で水濡れがある場合があるため、使用環境を踏まえたうえで、樹脂等で保護した耐性のあるタグを選ぶ必要があるためタグ選定時には注意が必要です。
RFタグ・ラベルを取り付ける周囲環境を確認
RFタグ・ラベルを貼り付ける場所だけでなく、その周囲環境も重要なポイントです。取り付ける場所がベルトコンベアなのか、山積みのダンボールなのか、屋外・屋内なのかによってタグの種類や取り付け方法を考慮するポイントも異なります。また、周辺に電波を阻害するものが設置されているかもチェックが必要です。
続いては、RFタグ・ラベルを導入する際の種類の選定から取り付け方法までサポートするサービスを紹介します。
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